愛知県蒲郡市に竹島(たけしま)という、海にポッカリ浮かぶ島があります。この島は古くから信仰されていて、現在ではパワースポットとして有名な場所です。
■竹島の住所■
蒲郡市竹島町3−15
実はこの竹島、知る人ぞ知る戦国スポットでもあります。それは何かというと、慶長十五年(1610)の名古屋城築城時、毛利秀就(もうりひでなり)が石垣の石を切り出した場所なのです。
『なんでこんな遠くから?』
という疑問があると思いますが、実は現在でも竹島がある三河湾と沿岸部は、石垣の石に適した石材が産出される場所として有名なんです。
↑これは愛知県南部の地図をひっくり返して南を上にもってきた地図。
愛知県南部の旧幡豆郡(はずぐん)は、幡豆石といって良質の石が採掘され場所で、名古屋城築城時に分かっているだけでも、福島正則、加藤清正、毛利秀就、池田輝政ら大名が石を切り出した場所です。
↑また平成になって再建された静岡県掛川市の掛川城も、石垣の一部に幡豆石を使って再建されています。
↑そして愛知県西尾市の西尾城天守台に使われている石も幡豆石。
ということで、毛利秀就の石切場はどこにあったのか?竹島に渡ってみました。
これが竹島(八百富神社)の境内の地図。例の石切場はこの境内ではなく、海岸線沿いの遊歩道を歩いて移動します。
すると灯篭が建っている大きな岩があります。この岩をよく見てみると…
なんと、矢穴です!
さらに海に落ちないように岩の上に登ってみると、この大岩をバラバラに切り出そうと複数の矢穴の跡が残っていました。
さらに海岸線を歩いてみると、別の場所にも矢穴の跡が残る石を発見!
あ、これも!という感じで、竹島周辺に矢穴が残る石を見ることができます。
私の感想ですが、意識するのとしないのでは、物事も見るのも違って見えることが分かりました。
その理由は、竹島は観光なので、もう何回も訪れてた経験があるのですが、矢穴石を見たのは今回が初めてです。
実はずっと竹島にあったのに、意識しないと気づかないものなのですね。
またこれだけ大量に矢穴石が残っている理由ですが、切り出している途中で毛利氏の工事担当場所では十分足りることが分かったので、それ以上、切り出さなかったのでしょう。
蒲郡市には竹島以外にも西浦海岸に福島正則の石切場や、池田輝政の紋が入った石があるので、それらもセットで周るのもオススメです。