■出版社■ 秋田書店
■原作■ 神坂次郎
■漫画■ 横山光輝
■価格■ 上657円+税 下629+税
■一言でいうと■朝日文左衛門の鸚鵡籠中記を解説した漫画
鸚鵡籠中記(おうむろうちゅうき)とは、延宝二年(1674)~享保3年(1718)を生きた江戸時代の尾張藩士・朝日文左衛門重章(あさひぶんざえもんしげあき)の日記です。
原本は漢文で書かれており、それを訳して漫画にしたのがこの元禄御畳奉行(げんろく おたたみぶぎょう)の日記です。朝日文左衛門は尾張藩の御畳奉行(おたたみぶぎょう)でした。
日記だから書けたこと
朝日文左衛門はある正月、伯父に自分が作った漢文の詩を見せたところ、やたら褒められ、そこから自分には文才があると信じ、身の回りに起こった出来事を記録し始めます。それが鸚鵡籠中記(おうむろうちゅうき)です。
ちなみに鸚鵡籠中記(おうむろうちゅうき)の意味は、身の回りの出来事をありのまま鸚鵡返し(おうむがえし)の様に書き写したという意味。
また藩士としての公的記録ではなく、今でいう日記だから自分目線の興味がある事をどんどん書いています。ざっくりいうと心中、酒、博打、女、盗難など。特に心中には興味があったらしく、男女の名前や経緯、そしてその後の結果など詳細に書いています。でもこのおかげで江戸中期の尾張藩の庶民の暮らしがよく分かるのです。
公にできないことも
鸚鵡籠中記の目を引くポイントは、日記だから公式記録に書けないことも書いています。例えば尾張四代目藩主・徳川吉通の大酒の愚行。そして吉通の生母・本寿院は乱交が目立ち、幕閣から謹慎を命じられるなど、決して表に出せないこともスラッと書いてあります。
尾張藩士どれだけ暇なの?
江戸時代の武士は今でいう公務員。現在では月曜から金曜まで出勤しなければなりませんでしたが、朝日文左衛門の御畳奉行職は9日に1度の登城でOK!では残りは何をやっていたのかというと、暇つぶしの武芸な習い事など。
またたまに地方に出張があるのですが、そのときは畳屋から接待を受けまくり、仕事というか娯楽という有様。いいなあ…
私の感想
元禄御畳奉行の日記はいくつか訳本が出ていますが、個人的には漫画が分かりやすくてオススメです。また江戸時代や尾張藩に興味がある人は貴重な内容だと思うので是非、チェックしてみて下さい。