【著者】馬渕まり
【発行所】GH株式会社(SPP出版)
【定価】1,600円+税
【一言でいうと】現役女医が戦国武将の死因や病気、怪我を診察した本
戦国武将は皆が戦場で討死した訳ではなく、病死の人、天寿を全うした人もいました。そんな中、記録に残る戦国武将の病死の死因や怪我の原因などを現役女医が診断し、まとめたのがこの本です。
医学的に見た武将の死
『現役の女医さんが書いた本なんて、すごく難しそう!』と思いますよね?でもこの本はちょっと違うんですよ。
古文書や記録には【病死にて候】くらいにしか書かれていない武将の死を、前後の記録や症状をもとに現在の医学知識から仮説を立て、中学生にも分かるくらいの優しい説明で解説しているので、スラスラ読めます。またチラホラと著者の手書きイラストもあり分かりやすいです。
秀頼のBMI、家康の入れ歯
武将の本などを読んでいると、怪我や病死の場面が出てきますよね。例えば立花道雪は落雷に遭い半身不随になった話。また十河一存は落馬で亡くなった(一説では松永秀久の暗殺)という話など、定番のものもありますが、この本にはあまり知られていない武将の健康状態などが説明してあります。
例えば明智光秀の近眼の近眼、高山右近のアメ-バ赤痢など、聞いたことが無い話などもテンコ盛りで記載してあるので、興味がある武将の話が出てくると読み入ってしまいます。
私的には【千利休の死因はカフェイン説】というのが興味深かったですね。
他人事?いや、あなたの事ですよ!
私が読んでみて思った事は、この本を読む時に意識してほしいのは、単に戦国本ではなく、現代人への注意を促していえる本という事です。
・なぜ肥満がダメなの?
・痔で亡くなる理由
・感染症の怖さ
など、現代でも十分注意したい病気や生活習慣について、馬渕先生からのアドバイスも付いており、こういった指摘も参考にできると思います。
また毛利元就の話では、アルコール耐性に関わる遺伝子の多形性についてなど、知っておいた方が良いこともチェックしておきたいですね。
私の想ひ
戦国時代や武将に関しての本はたくさん出ていますが、医学の視点から戦国武将を見るという視点の切り替えが非常に面白かったですね。
まあ、中には私にとって少し耳が痛い(本だから目が痛い?)話もありましたが(笑)、それも含めて参考になりました。
たぶんこの本には、あなたが知らない武将の知識もたくさん書かれていると思います。その理由は、今まで無かったキリクチで戦国武将を見ているからです。実際に私も非常に勉強になりましたし、個人的には殿堂入りの本ですね。
気になる方は、まずは近所の本屋さんでチェックしてみてください。
もし無ければネット通販で購入することもできます。(楽天なら送料無料)