■発行所■ GH株式会社
■著者■ 馬渕まり
■価格■ 1760(税込)
■一言でいうと 現在の女医が戦国武将を診察した本
歴女医・馬渕まり先生の著書続編です。それが戦国診察室2。
これは現在の女医で医学博士である馬渕まり先生が戦国武将の病気や死因を残された文献などから予想するという、斬新なキリクチの本。
歴史本などで武将が亡くなる時の症状など、あなたも読んだ事があると思いますが(戦死は別として)、その病気は何だったのか?それを現在医学で診察したのがこの戦国診察室2です。
今回は幅広い歴史になっている
前作の戦国診察室は戦国武将、つまり戦国時代に生きた人達でしたが、今回は日本史上で幅広く診察されています。夏目漱石、西郷隆盛、藤原道長など教科書にも出てくる人物の当時の症状を診察。これは面白かったです。
医者なのに毒?!
今回私が気になったのは毒に関する記述。これは大河ドラマ・おんな城主直虎でのシーンから。おんな城主・お田鶴の方が井伊直平に飲ませた【毒茶】はフグ&トリカブトか?というもの。
井伊直平(いいなおひら)は今川氏の家臣で遠江国の国人。井伊直虎、井伊直政の曾祖父にあたる人物です。(おんな城主直虎では前田吟さん)。
一言に毒と言っても種類も違えば効き始める時間も違い、この井伊直平が亡くなった時、馬渕まり先生はフグ毒とトリカブトを併用したのではという指摘をしてます。これ以上の詳細な解説はちょっと専門的になるので著書でどうぞ。
歴史のアノ出来事も!
今回の戦国診察室は特定人物だけではなく、歴史上の出来事にもフォーカスしています。
- 本能寺の変⇒信長の最後を考察
- 鳥取の飢え殺し⇒極度の空腹で飯を喰うと死ぬ?
- 火縄銃で撃たれたらどんな死を迎える?
この辺になるとさすがに医者にしか分からない領域です。でも時代考証などでは必要な部分ですね。私の感想ですが、この戦国診察室2は歴史ファンは一読していたほうが良いと思います。その理由は現在の女医で医学博士が戦国武将の病気や死因を残された文献などから予想するという斬新なキリクチの本だからです。
医者から見た歴史はどんなものなのか?私は医者じゃないから、知らない世界を知ることができて面白いと感じた一冊です。