【著者】山田征之
【出版社】自費出版
【定価】5200円 (税込)
【ひとことで言うと】愛知県の約1,600の城跡が記載されている書物
この愛知の城という本は、私の人生を変えた本です。
なぜかというと、新婚当時に天白図書館(名古屋市)でこの本に出会い、それからというもの約8年間、この本と後に出合う【愛知県中世城館跡調査報告】に沿って、愛知県内の城跡をほぼすべて巡るキッカケになったからです。ではそんな本なのか?詳しく説明します。
嘘つけ!愛知にそんなに城無いぞ!
私がこの本に出合ったのは、前述しましたが名古屋市天白区の天白図書館で、当時、私は結婚するために自分の家の家紋について調べていました。でも家紋の本は非常に難しく、休憩がてら本棚を眺めていたのです。
するとこの愛知の城に出合い、パラパラとめくってみると、『愛知県には1,600もの城跡として研究されている遺構がある』みたいなことが書いてありました。
最初は、『はあ?』 ( ̄□ ̄;)!!
くらいにしか思っていなかったのですが、その後、いろいろと調べてみて、城郭研究という学問があり、知らないところで知らない人達が、城について研究をしている事を知りました。それまで私は愛知県の城といえば、名古屋城、岡崎城くらいしか知らなかったので、正直、衝撃的でしたね。
城という漢字の意味
それまで私は、城というものは次の様な条件があるものだと思っていました。
・石垣がある
・天守がある
・水堀がある
・天守の最上階でメダルを販売している(笑)
これらの条件を満たすものが城だと思っていたのです。でも城郭研究によると、城の始まりは環濠(かんごう)集落といって、村を堀と土塁で囲んだものだったそうです。つまり佐賀県の吉野ヶ里遺跡みたいなものですよね。
それが中世、つまり室町時代や戦国時代になると、村を3~4つ治めていた領主の館に防御のための堀と土塁を築いたものになったとか。そういえば、【城】という漢字は、【土】と【成】という2つの漢字の組み合わせですよね。堀を掘って、余った土で土塁を築く、そうやって防御度を高めた屋敷も【城】という事なのですよ。
定義は広~い!
でも城として研究されているものは、その定義が広いんです。ざっと紹介しても次の通り。
・城 ・砦
・館 ・陣跡
・陣屋 ・代官所
・海防施設 ・類似遺構
・比定地 ・伝承地
・参考地
ここでひとつひとつ説明すると大変なことになるので割愛しますが、それらを調べる学問が城郭研究で、この愛知の城にも約1,600もの城として研究されているものが載っています。
私の感想
私の感想ですが、愛知県に住んでいる、もしくは愛知県に土地勘がある城好きの方は、必ずといって良いほど、所持しておきたい本だと思います。なぜかというと、永遠の城郭バイブルだから。愛知の城が出版されたのは1993年で、今から20年以上前ですが、未だに資料として通用します。
もちろん消滅した城跡とか、平成の大合併で住所が変わった城跡もありますが、それでも原理原則は変わらないので、今でも普通に楽しく読む事ができますよ。ただ難点なのは、自費出版の本なので、アマゾンや楽天ブックスなどでは販売されていません。愛知県内の本屋、もしくはヤフオクなどでたまに出ているので、見つけたら買っておく事をオススメします。