【発行】洋泉社
【定価】900+税
【一言でいうと】近世城郭を中心とした城の解説本
最近城に関する本はたくさん出ていますが、そんな中でも近世城郭(主にかつて天守が築かれた城)を中心に城を説明した本です。
内容は2017年に名古屋市の徳川美術館で開催された特別展、【天下人の城~信長・秀吉・家康~展】の図録本に近い内容になっています。
幅広い守備範囲
本の中身の主要な項目を上げると次の通りです。
【続日本100名城完全ガイド】
2017年に発表された続日本100名城を日本地図と個別に説明したもの
【CGでよみがえる失われた天下人の城】
岐阜城、小牧山城、肥前名古屋城、大坂城、駿府城の天守をCGで再現
【城の説明】
天守、石垣、御殿、櫓、その他防御施設の解説
【人物と城の解説】
信長、秀吉、家康ゆかりの城の解説。そして3人が関連した合戦も紹介。桶狭間、長篠、小牧長久手、、小田原攻め、大坂の陣など
【その他】
加藤清正、宣教師らの城ゆかりのエピソード、刀や茶器などの説明、そして熊本城復興について
これらの項目を見てもらえばわかりますが、城だけではなく関連する道具や合戦、そして人物伝などにもフォーカスしています。
個人的には刀にまつわる歴史的事件や、加藤清正が朝鮮半島で捕獲した虎の頭蓋骨など初めて見るものが印象的でした。
続日本100名城ってどこ?
この本の大きな特徴のひとつに続日本100名城のガイドが付いているというポイントがあります。
続日本100名城も、それえ以前に発表された100名城と同じく、全国の都道府県にまんべんなく配置されているので、あなたが住んでいる都道府県にも追加された名城があります。
ちなみに愛知県の続日本100名城は、小牧山城(小牧市)、古宮城(新城市)、吉田城(豊橋市)の3城です。
またわかりやすく、日本地図で日本100名城と続100名城をまとめて記載しているので、一目で日本の200名城をチェックできますよ。
あと続100名城の各城の一言コメントがあるので、どんな城かザックリとわかります。
私の感想
私的には城巡り初心者には向いていないと思いました。その理由は土の城と近世城郭が入りまじっており、たぶん【天守が無いと城とは言えない】と思っている人は混乱すると思うからです。
さらにタイトル通り信長、秀吉、家康を中心に構成されており、地方大名や家臣などがほぼスルーされていますので、愛知県の城ファンや戦国愛好者には入りこみやすいと思いますが、他県の人はどうなのだろう?という疑問はありますね。
でも続日本100名城の一覧マップが最初にあるので、そのインパクトだけでもが大きかったです。続日本100名城については、そのうちにどんどん関連本が出ると思いますが、この一覧マップだけでも概要を把握できます。
また前述しましたが、本の内容は2017年に名古屋市の徳川美術館で開催された特別展、【天下人の城~信長・秀吉・家康~展】の図録本チックになっているので、特別展に行けなかった人も展示会の内容をざっくりとですが把握できるでしょう。
私みたいに展示会に行って、図録本がない事にガッカリした人でも、この本で何とか我慢できると思います。
ともあれ信長、秀吉、家康が好きな人や興味がある人は、3人ゆかりの城を愉しむ事ができる内容です。
まずはあなたの近所のコンビニや本屋でチェックしてみてください。
もし無かったらネット通販でも購入できますよ。※楽天ブックスは送料無料