【企画・編集】富加町教育委員会
【価格】300円(税込
【一言でいうと】信長の侵攻を受けた美濃・多治見氏の話
歴史は表の見方と裏の見方があります。
例えば私が住んでいる愛知県は、織田信長は一番人気くらいの戦国武将で、大河ドラマや歴史小説、NHKなどのTV番組でも信長目線で見てしまう。
でも?攻める信長目線に対して、攻められる側目線で描かれた本がこのマンガ・猿喰の春です。
猿啄城ってどこ?
この本の主役は、猿喰(さるばみ)城主の娘・春。
※猿喰の読みは さるばみ
猿啄城がある場所は、東濃(とうのう)といって、かつての美濃国(現在の岐阜県)東部です。
桶狭間合戦後、織田信長は居城を小牧山城に移し、美濃攻めに本腰を入れますが、その時、標的になったのが東濃。
また美濃国では、斎藤道三が息子・義龍(よしたつ)に討たれ、数年後に義龍も病死。義龍の息子・龍興(たつおき)は優秀ではなく、竹中半兵衛重治をはじめ、家臣たちが離れていきます。
そんな中、小豪族の猿啄城主・多治見氏は信長と戦うのか、降伏するのかを決断せざるを得ませんでした。
マンガ+解説
本は2部構成。前半は漫画58P。後半は資料編として史跡の解説が20P。マンガを楽しむだけではなく、史実はどうなっているのか?また作品で出てきた史跡についても詳細に説明しています。
これって城巡りや史跡めぐりしている私には非常に嬉しいです。なぜかというと、本を読んでみて気になる史跡には行きたくなるから。
特に巻末で紹介されている3つの施設は要チェックです。
- 富加町郷土資料館
- 美濃加茂市民ミュ-ジアム
- 坂祝(さかほぎ)町中央公民館
※坂祝の読みは さかほぎ
私の感想
冒頭にも書きましたが、このマンガは信長に攻められる側目線の作品。つまり織田信長は敵であり悪者です。
私の感想ですが、この逆視点って非常に大事だと思います。なぜかというと、歴史って好きな人物側からどうしても見てしまいがちだからです。
でも両者側から見ることによって、歴史のバランスというか中立的に歴史を見ることができると思います。
あと私のおすすめは、この猿喰の春の本編ともいえる、夕雲の城(400円)とセットで購入すること。なぜかというと2冊で織田信長による西濃攻めの様子がよく分かるからです。
夕雲の城と猿喰の春の購入方法ですが、富加町郷土資料館に連絡後、現金書留で送金するという、非常にめんどくさい方法。
これはなんとか改善してほしいですね。
※詳細はこちら⇒ 岐阜県賀茂郡富加町