■著者■ 徳川宗英(むねふさ)
■価格■ 600円+税
※ライバル敵将編は(486円+税)
■一言でいうと■
徳川家康の子孫が書いた徳川家の暴露本
この本の著者・徳川宗英(とくがわむねふさ)氏は、田安徳川家第十一代当主。田安徳川家というのは八代将軍吉宗が設立した御三卿(ごさんきょう)のひとつです。
徳川家の御三卿(ごさんきょう)とは、簡単にいうと徳川家将軍家の分家。
将軍家に跡継ぎがいなくなった時に跡継ぎを出すため八代将軍吉宗によって、3つの家が設立されました。それが田安徳川家、一橋徳川家、清水徳川家。
ちなみにこの田安とか一橋、清水というのは名字ではなくて、住んでいる屋敷のあった場所から取った便宜的な呼び名、つまり地名ですね。
その田安徳川家第十一代当主が書いた本なのだから、どんな内緒話が出るのかという興味本位で購入しました。
どこかで聞いた話だけど…
徳川家康と徳川家については、多くの本で語られているので、本の内容もどこかで聞いた(読んだ)事があるな~と思う話がチラホラ。しかし家康の子孫がそれを語ると、不思議と説得力があるのはなぜだろう?
またどこかで聞いた(読んだ)事がある様な話でも、子孫として+αの知識が楽しめます。
例えば十五代将軍・徳川慶喜の名前の読みについて。これは『よしのぶ』と読みますが、読みがながなければ、なかなか読めません。『けいき』なんて読むかも。
これについて徳川家では読めない名前が多いという事を言ってます。例えば本人の徳川宗英は『むねひで』ではなく『むねふさ』。
父親の達成は『さとなり』。ひいひい爺さんの斉荘は『なりたか』など、『昔の人というのは、そういうことはあまり気にしなかったのだろうか』と読めない名前について、子孫として意見を述べてます。
知らなかった知識もたくさん
読書の楽しさのひとつに自分が知らなかった事の発見がありますね。実はこの新しい知識もたくさん学べました。例えば将軍の官位である征夷大将軍。
征夷大将軍と聞くと、武家の棟梁で天皇の次にエラい人物みたいなイメージがありますが、もともとは臨時に与えあられる官位で四位に相当するとのこと。
家康は征夷大将軍になる前は従一位右大臣だったので、官位のランクだけを見ると朝廷にお願いして格を下げてもらったことになります。
ではなぜこの様な事をしたのかというと…という理由などを子孫の感想を踏まえて解説しているのが面白かったです。こんな話がたくさんあります。
私の感想
自分のご先祖様について、客観的に批判していたり、意見しているところが面白い。あと『子孫の人ってそういうふうに思うんだな』みたいな感想も興味深かったです。
本編の他にライバル敵将編というのがあり、こちらは徳川家以外の人物について語っています。定価で買っても千円以下です。私的には徳川家康や徳川家に興味がある人は2冊セットで購入すると良いと思います。