知立市八橋町五輪にある根上りの松は、鎌倉街道沿いにあり江戸時代の歌川広重の浮世絵・五十三次名所図会に描かれている松といわれているものです。
基本的にこのブログは、愛知の城や戦国史跡を紹介しています。だから戦国時代以前の鎌倉街道って、関係ない気がしますよね?
でもなぜわざわざ紹介するという理由ですが、永禄三年(1560)の桶狭間合戦の時。今川義元が桶狭間に進軍する時に通った街道が鎌倉街道という説が未だに定説だからです。
つまり、三河地方の鎌倉街道は今川義元率いる今川軍が通った街道と考えられているのです。
そんな中、現在の知立市八橋町五輪を通る鎌倉街道も今川義元が進軍した街道、そしてこの根上りの松も義元が拝観した松ではないか想われます。
■根上りの松の場所の住所■
知立市八橋町五輪26
この根上りの松は、もともと一里塚みたいな土盛りの上にありました。しかし長年の雨風によって土盛りが流出してしまい、根っこの部分が露出して今みたいな形になったみたいです。
だから根上りの松というけれど、別に根っこが上がったワケではなく、根っこ部分の土が流出した松ということなのですね。
でも下から見上げて見ると、結構な迫力です。松って、戦国時代から武将が鎧をかけた鎧掛けの松とかあるんですけれど、松食い虫や伊勢湾台風(昭和三十四年:1959)の被害で枯れてしまう松が多いです。
でもこの根上りの松はこれからも残って欲しいです。
繰り返しになりますが、この根上りの松の前を通る県道は、かつての鎌倉街道です。道は細いし車は結構通るのですけれど、今川義元が桶狭間に向けて進軍した道と思えば、戦国ファンも妄想を楽しめますねw
以前、愛知県内の東海道や鎌倉街道などを歩く街道好きの会・愛知ウォーキング街道巡りクラブ(AWK)の見学会でもこの根上りの松を見学に行きました。
戦国好きの方が多いので、桶狭間合戦での今川義元の進軍路という視点も好評でした。根上りの松は街道歩きが好きな街道ウォーカー、そして戦国ファンも楽しめるスポットだと思います。