蒲郡市にある三河・上ノ郷(かみのごう)城跡は、戦国時代にこの地に勢力を持っていた鵜殿(うどの)氏の居城跡です。
永禄三年(1560)の桶狭間合戦後、今川家の重臣・鵜殿長照が守っていましたが、松平元康(後の徳川家康)に攻め落とされました。現在は畑地になっているのですが、戦国時代の遺構を色濃く残しており、私的にもおすすめの城跡です。
ちなみに令和五年(2023)NHK大河ドラマ・どうする家康では、俳優の野間口徹さんが鵜殿長照役です。
駐車場は赤日子神社
車で上ノ郷城跡へアクセスする時、駐車場は近くにある赤日子(あかひこ)神社の西側駐車場が利用できます。
※赤日子神社の読みは(あかひこじんじゃ: akahikojinja)
ちなみに駐車場利用に関しては次の様な注意書きがあります。
■上ノ郷城跡駐車場の場所の住所■
蒲郡市神ノ郷町 壱町田10
駐車場の隅に上ノ郷城跡の案内看板があります。こうした看板は城巡りの際に重宝しますね。事前の情報収集。
見落としたくない看板下の案内パンフレット。観光パンフもそうですが、最近のパンフは質の高いものが多く、城巡り後にも保存資料として持っておけるくらい、クオリティが上がっています。
ちなみに上ノ郷城と同時期に存在した中世の城として豊田市の足助城、そして西尾市の東条城などがありました。これらの城公園化されており、巡りやすいので私もオススメです。
もうひとつ看板の特徴があります。それが縄張り図を使用した駐車場から上ノ郷城へのアクセス地図。ちなみにこれは愛知県の城巡りバイブルのひとつ、愛知県中世城館跡調査報告Ⅲに記載されている縄張り図を使用してあります。作図者は石川浩治氏。
駐車場から城跡までの所要時間は徒歩5分くらいですね。途中にアクセス看板も建っています。
電車でのアクセス
電車で上ノ郷城へアクセスする場合は、最寄り駅はJR蒲郡駅です。ここから約2.3kmほど。徒歩での所要時間は約30分です。
そして城跡
三河・上ノ郷城の現状は畑地です。まずみかん畑みたいなところから入りますが、実はここはすでに虎口(こぐち)。そして土塁の上に石碑もあります。
↑裏(城内)からみるとこんな感じです。
虎口を越えると広い削平地があります。本丸下の削平地なので二の丸といった感じでしょうか?畑になっている曲輪跡ですね。
虎口を入ってすぐの曲輪から本丸までは5mくらいの高低差があります。ほぼ直角なので甲冑や足軽具足を着てここを登るのは大変そうです。
そして本丸跡は広い削平地で建造物など何もありません。ブルーシートに覆われている場所は、かつて発掘調査が行われていました。
南を見ると市街地の向こうに三河湾が見えます。かつてはビルなどありませんでしたから、上ノ郷城から海もよく見えたのでしょうね。
私の感想ですが、上ノ郷城跡はこじんまりとした城ですが、土塁や虎口、曲輪などが残っているので見どころが多い城だと思いました。また大河ネタではありますが、令和五年(2023)のNHK大河ドラマ・どうする家康で俳優の野間口徹さん演じる鵜殿長照がここに籠もっていたと想像すると、妄想も膨らみます。
城跡自体の所要時間は約20分もあれば十分だと思うので、同じ蒲郡市内の竹谷城(たけのやじょう)や形原城などとセットにするとよいでしょう。
発掘調査
2009年に行われた発掘調査では、本丸から50×60cmの穴から合計34枚の皿が出土しました。その時の写真です。蒲郡教育委員会の発表では、儀式に使う皿ではないかとのこと。上ノ郷城は実際に合戦があった城なので出陣式みたいな儀式だったのでしょうか?
上ノ郷城の御城印
上ノ郷城の御城印(ごじょういん)は、蒲郡市博物館で販売しています。1枚300円です。
上ノ郷城がわかる西部公民館
上ノ郷城のすぐ近くにある蒲郡市西部公民館は、上ノ郷城のジオラマや無料パンフレットが置かれているので、上ノ郷城を訪れた時にはセットで行ってみましょう。ただし土曜日は開館なのですが、日曜日は閉館しています。