岡崎市舞木町に鳩が徳川家康の命を助けた逸話が残っています。それが山中八幡宮の鳩ヶ窟(はとがくつ)です。一体どんな話なのか?時代は桶狭間合戦後にさかのぼります。
鳩ヶ窟の場所はどこ?
まずは鳩ヶ窟(はとがくつ)の場所の住所から説明します。鳩ヶ窟がある場所は岡崎市舞木町にある山中八幡宮の中です。名鉄本線・名電山中駅と藤川駅の中間くらいのところにあります。ちなみにかつての東海道と現在の国道1号線沿いにあります。
■住所
岡崎市舞木町宮下8
どんな話?
永禄三年(1560)の桶狭間合戦後、松平元康(徳川家康)は岡崎城を拠点に三河統一を目指します。しかしその直後、三河一向一揆が勃発。元康(家康)は局地戦で敗走し、山中八幡宮の洞窟へ逃げ込みました。一揆勢も山中八幡宮まで押し寄せ、境内を調べているうちに洞窟を見つけます。そこで中を調べようとしていたその時、なんと洞窟の中から鳩が2羽飛び出してきたのです。
これを見た一揆勢の兵は『もし中に人がいるなら鳩がいるわけがない』といって、洞窟の中を調べずに立ち去って行きました。その後、三河一向一揆を鎮圧した元康(家康)は、この時の事を忘れず、山中八幡宮を手厚く保護したのでした。
そして現場
家康の命を救った鳩ヶ窟は現在も山中八幡宮の中にあります。以前、愛知・名古屋の歴史愛好家の会で東海道本宿、藤川宿の街道ウォーキングをした時、この山中八幡宮を訪れ鳩ヶ窟も見学しました。
境内の灯籠をよく見てみると、徳川家の家紋・三つ葉葵がありました。
本殿に向かう途中にある鳩ヶ窟の石碑。
これが鳩ヶ窟。今でも洞窟はありますが、中は神域ということで一般人の立ち入りは禁止されています。私の感想ですが、手前から見る限りそんな大きな洞窟ではなく、しゃがんで入るくらいの大きさだと思いました。またこの近くには見応えがある山中城址や東海道藤川宿跡があるので、城巡りファンや街道ウォーカーの方もセットで楽しめると思います。