大口町の小口城址は室町時代後期にこの地に勢力を持っていた織田広近が築いた城です。広近の兄は尾張上四郡守護代で岩倉城主、そして織田伊勢守家当主の織田敏広。つまり織田伊勢守家の城ということですね。この織田広近は小口城を築いた後、犬山城の前身の城となる木之下城を築いた人物でもあります。
現在は小口城市公園になっており、資料館やトイレもあります。では小口城址の見どころをチェックしてみましょう!
アクセスと駐車場
小口城址公園を訪れる際には車が便利です。カーナビで小口城址公園と入力すると出てくると思います。ロードマップでアクセスする時は小口城市公園の住所をチェック。小口城址公園には無料駐車場があるので、ここに車を停めて城巡りをスタートさせましょう。
■小口城址公園の住所■
愛知県丹羽郡大口町城屋敷1丁目261
そして城内
資料館にある小口城の古地図。まずは縄張り図をチェック!かつての小口城は東西約五十間(約90m)、南北約五十八間(約105m)の規模で、曲輪に二重の堀と土塁が廻らされていたと記録にあります。
公園内にある土盛り。土塁(土居)の跡でしょうか?
発掘調査により出てきた野鍛冶炉跡。野鍛冶炉とは、簡単にいうと鉄を焼いて加工する簡易的な鍛冶(かじ)の事。生活用品を作っていたのか、もしくは鏃(やじり)などの軍事品を作っていたのか分かりませんが、城内に鍛冶場があった証拠ですね。
そして資料館には小口城址の歴史や出土品、ジオラマなどが展示してあります。入館は無料。しかし開園日は土日祝日のみで時間も決まっています。詳しくは大口町のホームページでチェックしてみてください。
櫓に登ってみる
資料館以外にもうひとつチェックしておきたいのがこの櫓(やぐら)。小口城には天守はありませんでしたが、周辺の様子をチェックする櫓みたいな物見台は当然あったのでしょう。ただしこんなに立派な櫓だったかどうかは分かりませんが…ちなみに公園の開館時間に合わせて櫓も登る事ができます。(階段)。
小口城址公園周辺は濃尾(のうび)平野という広い平地です。現在では住宅地が広がっていますが、当時は今みたいに家が密集しておらず、遠くまで見渡せたのでしょう。
物見櫓からは小口城の堀跡を見ることもできます。
あとひとつ気になったのが、小口城址公園のすぐとなりを通る県道。細い道が一度曲がって、そこからまっすぐ伸びています。もしかするとかつての旧街道なのかも知れませんね。
小口神社に土塁跡がある!
向かいにある小口神社の本殿下には、小口城時代の土塁といわれている土盛りが残っています。ここも忘れずにチェックしておきましょう。
所要時間と私の感想
小口城址公園の所要時間は、資料館と物見櫓を合わせて約30分くらいだと思います。また私の感想ですが、小口城址公園は中世の平城の様子がよく分かる様に整備されているので、城好きの人にはオススメです。
ただ短い所要時間で見学できるので、他の城とセットにするのが良いでしょう。私がよくセットにするのは、南にある小牧山城、そして北にある犬山城です。名古屋市から向かうと、ちょうど3城を巡るコースみたいになっているので、これら3つの城をまとめると1日タップリと楽しむこともできるでしょう。