愛知県常滑(とこなめ)市にある大野城跡は、戦国時代にこの地に勢力を持っていた佐治氏の居城です。
佐治氏は知多半島に強い影響力を持ち、水野氏、戸田氏と覇権を争いましたが、その拠点が大野城なんです。織田信長も妹・お犬の方を嫁がせ、浅井長政の娘で、後の江戸幕府二代将軍・徳川秀忠の妻・お江(崇源院)が嫁いだ城でもあります。
個人的には知多半島の城の中でも好きな城ですね。その理由は城内は整備された公園ですが、戦国期の山城の遺構がちらほら残っているからです。また佐治氏は水軍を持っており、愛知県の城の中でも貴重な水軍の城として注目されています。
では、そんな大野城の詳細をチェックしてみましょう!
アクセスと駐車場
まずは車でのアクセス方法です。大野城には数ヶ所の駐車場があるので、車で訪れる時も大丈夫です。たぶん満車にはなっていないはず。
どの駐車場でも良いのですが、山城の雰囲気を体感したければ大野城ふもとにある北駐車場。あまり登りたくないな~という人は、本丸すぐ近くの駐車場が良いですね。
電車で訪れる場合、最寄りの駅は名鉄常滑線・西ノ口駅です。駅から歩いて30分くらいで大野城に着くと思います。
■大野城の場所の住所■
常滑市青海町5丁目8
大野城に登ってみる!
では早速、大野城に登ってみましょう!大野城は整備された公園ですが、基本山城なので急こう配な場所もあります。また一部は森になっており、夏はあまりオススメできないです。
かつての曲輪は、遊具が並ぶ公園になっていますが、隅々まで見てみると城の遺構が残っています。
こちらは本丸下の堀。一見、普通の道に見えますが、本丸の背後を守る重要な堀でした。
その堀を掘る時に生じた土を盛った土塁。堀と土塁は1セットですね。
大野城の頂上が本丸です。石碑があります。
本丸での隅の方にさらに高い場所があるのですが、そこがかつての櫓台といわれ、現在では佐治神社があります。神社の中をよく見ると…
佐治一成の石像があるんです。浅井長政の娘・お江が最初に結婚した相手で、水軍を率いる佐治家当主でもありました。
大野城本丸の中
本丸のメインはなんといっても天守でしょう。大野城にも天守が建っていますが、これは歴史上には無い模擬天守です。現在では展望台という位置付けになっています。
中には展示物がチラホラあり、よく見ると貴重な展示もあります。
こちらは大野城の絵図。江戸時代のものでしょうか。大野城だけではなく、周辺の村も記載されています。
そしてこれが最上階からの景色!伊勢湾を見渡すことができます。佐治氏はかつて水軍を持っていたので、あの伊勢湾で水軍の調練(訓練)も行っていたのでしょうか。
またいろんな貿易の船が往来しており、港も活気があって…なんて妄想に浸るひとときw
北側を見ると、こんもりした森の中に大きな屋根が見えますが、あれは近くにある大草城の天守(展望台)です。
大草城は佐治氏追放後にこの地に封じられた織田長益(有楽斎)が途中まで築いた城。現在はここも公園として整備されており、大野城とセットで訪れる事もできます。
私の感想
常滑市にある尾張大野城の感想ですが、この城は知多半島の城巡りの中でも欠かすことができない城のひとつだと思いました。なぜかというと、城内に残る遺構と伊勢湾で活躍していた水軍の貴重な城だからです。
愛知の水軍の城といえば、西尾市幡豆町に小笠原水軍の居城だった寺部城がありますが、そことはまた別の特徴があります。
2011年NHK大河ドラマ・江〜姫たちの戦国〜の時は、観光客がそれなりにいたのでうsが、最近では静かに城巡りを楽しむ事ができます。
所要時間ですが、サッと周って約30分。ジックリ周って約1時間くらいです。できれば伊勢湾を気持ちよく眺める事ができる天気の良い日を選んで行きたいですね。