愛知県知多市の大草城は、織田有楽斎(長益)が築城途中で摂津国に移る事になり、築城途中で断念した城です。知多大野の地を拝領した長益は当初、佐治氏の居城だった大野城に入城しますが、水利が悪かったせいか、平地に大草城を築城します。
その後、築城途中で秀吉によって所領を摂津国(現在の大阪)に移され、大野城は廃城になりましたが、江戸時代に尾張藩の重臣・山澄淡路守英龍が城の西側に屋敷を構えて城を保存するなどしたおかげで、現在も遺構が良好に残っています。
では、そんな大草城のチェックするポイントを見てみましょう!
電車アクセス方法と駐車場
まずは大野城への行き方です。電車でアクセスする時は名鉄常滑線の大野町駅が最寄り駅なのでここを目指します。駅からの所要時間は歩いて10分くらいです。
次に車でのアクセス方法ですが以下の地図を参考に行ってみましょう。大草城には数台ですが駐車場があります。料金は無料なので時間を気にすることなく散策できます。
まずは高低差!
大草城でまずチェックしておきたいのが高低差です。南側から向かうと台地の上に城があるのに気が付きます。この大地の高低差は大草城址となりの津島神社、地蔵寺(知多新四国5番札所)も同じです。もしかすると城域だったのかもしれません。
縄張り図
こちらが大草城の縄張り図。かつての本丸と二の丸が公園として整備され、三の丸は住宅地になってします。城内には散策路もありますが、森林の公園なので足元は運動靴などでシッカリ固めてから散策しましょう。水色の部分が堀(水堀)になっており、本丸と二の丸をぐるっと囲んでいるのが分かりますね。このほか、空堀のかつての堀部分も残っています。
これは大草城の復元想定図。築城途中で断念された城なのであくまで想定なのですが、周囲を堀で囲まれ、曲輪の中にはいくつかの建物があったのでしょう。
城内の様子
城内は散策路で公園内をぐるっと巡る事ができます。下の画像は二の丸曲輪の写真。建造物は本丸に天守風の展望台があるのみで、その他は堀や土塁などの遺構を楽しむ城です。
土塁を見る時のコツ
土塁の写真。城内のいろんな場所で確認できます。私の感想ですが、大草城の土塁を見る時、すぐ近くの堀との高低差を合わせてチェックしてみるのがオススです。その理由は土塁と堀の高低差が激しい場所がいくつかあるからです。高い場所だと堀の水面から土塁の上まで6~7mくらいの場所もあり、当時、手掘りで掘って土塁を持ったことを考えるとスゴイ労力だな~と思います。
そして堀
大草城を取り巻く堀は水堀、空堀として残っており、これもぐるっと一周しながらチェックする事ができます。蓬左文庫(名古屋市東区)の古地図を見てみると、江戸時代は空堀だったのが現在では水堀になっている場所もあります。
これは私の失敗体験ですが、夏に行った時、水辺は藪蚊が多く、虫よけスプレーを忘れていたために刺されまくった事がありました。大草城は平城ですが森になっている部分もあるので夏にはオススメできません。
天守には意外なものが!
大草城本丸には天守が建っています。大野城には天守があった記録が残っていないので、正しく言うと天守風展望台、もしくは模擬天守ですね。中には展示物はなく、最上階が展望台になってはいるのですが、大草城は平地なので大野城みたいに見下ろす景色はなく、あまり展望は良くないです。でもひとつだけこの展望台からチェックしておきたいものがあります。
それは最上階から見える大野城の天守(模擬)です。位置関係もわかりますし、大野城が山城という事もわかりますね。ホントに目と鼻の先にある城です。この景色をチェックするだけでも天守に登る甲斐はありますね。
私の感想
私の感想ですが、大草城は知多半島の城巡りをする時、必ずチェックしておいた方が良い城だと思います。その理由は城内の遺構の残り具合が良いからです。あと織田有楽斎ゆかりの城というのは非常に珍しいです。犬山市の犬山城のふもとに有楽斎ゆかりの茶室・如庵(じょあん)がありますが、その他に有楽斎を偲ぶ場所は愛知には無いと思います。
また大草城の近くには佐治氏の大野城もあるなど、この周辺はいろんな城や史跡をセットにすることで数時間楽しむ事ができます。大野城の半分は森になっているので、できれば冬に散策する方が良いですね。
大草城の御城印(御朱印)販売場所
知多大草城も御城印(御朱印)販売が始まりました!販売場所は知多市観光協会と株式会社縄文堂商会。でも株式会社縄文堂商会は土日祝日休業なので、土日祝日に大草城の御朱印を購入するなら知多市観光協会に行きましょう。
■知多市観光協会の場所の住所■
知多市岡田段戸坊5
コメント
[…] の中に大きな屋根が見えますが、あれは近くにある大草城の天守(展望台)です。 […]