斎藤道三と信長が会見!一宮市冨田の聖徳寺跡

愛知県一宮市冨田大堀の聖徳寺(しょうとくじ)跡は、天文年間(1532~1555)に織田信長と斎藤道三が会見した寺があった場所です。

なぜ2人は会うことになったのか?そしてどんな対面になったのか?信長研究の第一級資料・信長公記に興味深いエピソードが載っているので、チェックしてみましょう!

■聖徳寺跡の場所の住所■

愛知県一宮市冨田大堀413-5

聖徳寺跡の地図

なぜ2人は会見したの?

信長公記によると天文二十二年(1553)、四月下旬に斎藤道三が信長に富田の寺内町聖徳寺まで出向くので対面したいと申し出がありました。

この時信長は19歳。道三の娘・濃姫を正室に迎えていましたが、その父親である道三とはまだ会ったことはありませんでした。

『娘と結婚してるのに父親とは会ったことがないの??』

現在では考えにくいですが、戦国時代の結婚(祝言:しゅうげん)は、必ずしも両家の親が出席するというものではなく、妻となる女性は世話をする侍女を数名連れて、夫となる家に嫁ぐことも普通でした。

さて、なぜ今頃になって道三が信長に会いたいと思ったのかというと、道三の周りの人々が、が『婿殿(信長のこと)は大馬鹿者ですぞ』と面と向かって言っていたからです。

道三は『いや、バカではないのだ』と一応否定していましたが、あまりにも信長の事をバカバカいう人が多かったので、さすがの道三も不安になったみたいで、それでは会って真偽を見極めようと対面することにしました。

やはりバカでした

当時、聖徳寺があった富田という所は、美濃・尾張の守護から許可状を取って税を免除されており豊かな地域でした。

道三は信長を驚かせて笑ってやろうと信長の行列を隠れて覗き見していたのです。

しばらくして信長の行列がやってきたのですが、驚いたのは道三の方でした。なぜなら信長の様子は次の通りだったからです。

・髪は茶筅髷(ちゃせんまげ)

・湯帷子に袖脱ぎ

・金銀飾りの太刀・脇差2つとも長い塚を藁縄(わらなわ)で巻く

・太い麻縄を腕輪に通す

・腰の周りには猿廻しの様に火打ち袋、瓢箪を7つ8つほどぶら下げる

・虎皮、豹側を四色に染め分けた半袴をはいている

正直、これから妻の父に会うという服装ではありませんでした…

やはりバカだったかもしれないと少し後悔した道三でしたが、次の瞬間、もし本当のバカならそのまま尾張を取ってやろうと思ったのか、とりあえず会見の場、聖徳寺に向かうのでした。

道三の無念とは

しかし聖徳寺に着いた信長は、道中の衣装を改め、礼儀正しい装束(服装)を身に付け道三と会見します。

道中とのギャップの激しさに驚いた道三でしたが、信長と共に湯漬けを食し、『また近いうちにお目にかかろう』と言って席を立ちました。

信長に見送られ稲葉山城(後の岐阜城)に帰る道三は面白くなさそうな顔をして口数少な目でした。

その理由は、斎藤勢の槍より織田勢の槍の方が、はるかに長かったからでした。また信長の度量というか、底知れぬ可能性を見抜いていたのかもしれません。

途中、茜部(あかなべ:岐阜市茜部)という所で、道三の家臣・猪子高就が、『どう見ても信長殿は阿保(あほう)でございますな』と道三に言いました。

すると道三は、『だから無念だ。この道三の息子どもが必ずあの阿呆の門前に馬をつなぐことになるだろう』とつぶやきます。

つまり道三の息子たちは信長の家臣になる、もしくは信長にひれ伏す(降伏)するであろうという意味です。

それ以後、道三の前で信長を馬鹿者呼ばわりするものは居なくなりました。

以上が信長と斎藤道三の初めての会見のエピソードですが、その場所が一宮市富田の聖徳寺跡なんです。

現在の聖徳寺跡

かつては大きな寺院だった聖徳寺ですが、現在では一宮市の市バスのバス停になっており、バス停の片隅に石碑と案内看板が建っているのみです。

聖徳寺跡の石碑。

見るものはこれくらいしかありませんが、信長公記にも出てくる歴史の現場がココだと思うと、信長ファンはもちろん、戦国好きの方もそれだけで満足できそうですね。

ちなみに聖徳寺はその後、秀吉による加賀野井城や竹鼻城攻めの時の本陣にもなっています。

そして清須、名古屋の東寺町、松本町へと移転し、現在では次の2ヶ所に分かれました。

・名古屋市守山区白山の七宝山聖徳寺

・名古屋市天白区八事山の八事山聖徳寺

私の感想ですが、聖徳寺は移転後に分裂したとはいえ、信長と道三ゆかりの聖徳寺が未だに存続しているのはすごいと思います。

また戦国時代の聖徳寺跡も石碑と案内看板が建っているのは、一歴史ファンとして嬉しい限りです。

一応市バスのバス停ですが、1時間に1本くらいしかバスが無いので、訪れる時は車がオススメだと思いました。

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