私が講師を務める栄中日文化センターの城巡り講座で犬山市の犬山城へ行ってきました。犬山城といえば天守が国宝に指定されており、日本100名城にも認定されている城ですが、城下町もたくさんの見どころがあります。
さて、城巡りをしていて城下町に街道が通っていることが多いです。例えば犬山城は名古屋城の城下町と中山道・鵜沼(うぬま)宿を結ぶ稲置街道(いなきかいどう)を城下町に通していました。
稲置街道とは
稲置街道とは名古屋城の城下町と中山道鵜沼宿を結んだ街道で犬山城の城下町を経由しています。なぜわざわざ城下町に街道を通すのか?これには深い理由が2つありました。
物を運びやすくするため
ひとつめの理由は物流。城下町に物資を運ぶ場合、街道を経由して運ばれるので、城下町に街道を通していたほうがスムーズに運び込むことができます。
軍隊を迎え撃つため
ふたつめの理由は軍事。もし江戸幕府に逆らう大名が出て将軍がいる江戸に向かう場合、主要街道を通ります。その理由は進軍しやすい事と補給をスムーズにするためです。そこで城下町に街道を通しておけば、その城を攻略しない限り先に進むことはできません。
もし城を落とさず強行して通り抜けても、補給路や退路を絶たれ、また前方の敵と挟み撃ちに遭うことも考えられます。なので軍隊が街道を通る場合、街道を通している城を攻略しなければスムーズに進軍できないのです。
防御の工夫
また城下町や街道の宿場には侵入してきた敵を迎え撃つ工夫が施してありました。例えば犬山城の例でいくと、城下町に9つの木戸(きど)という防御のための入口があったのです。
これは犬山市立図書館近くにある木戸の遺構。道がS時に曲がってます。木戸は曲がった先に門があり、門を壊している敵に側面や背後から矢、鉄砲で攻撃を仕掛けることができます。城の枡形虎口(ますがた こぐち)みたいなものです。
城巡りする時、街道や城下町の知識があると、城だけではなく防御の工夫や街道がどの様に通っていたのか?というラインも見えてきます。だから代が好きな人は街道と城下町についても勉強しておくと城巡りがもっと楽しくなりますよ。