名古屋市熱田区の熱田村砦は源平合戦の頃、源行家(新宮十郎)が築いた砦といわれています。現在では遺構は残っておらず沢上2丁目の神明社付近が砦跡とのこと。
【Q】源行家とは
本名は義盛。甥の源頼朝に平家打倒の決起を促した。その後、頼朝から離れ源義仲(木曽義仲)とともに入京するも頼朝軍に敗れる。壇ノ浦の戦い後、頼朝の弟・源義経と反頼朝勢力を旗揚げするも敗れて捕らえられ斬首される。大河ドラマ・鎌倉殿の13人では杉本哲太さんが演じた。
高低差と地名
熱田村砦跡は遺構は残っていませんが、城巡りでチェックしておきたいポイントが2つあります。1つ目は高低差。西に向かって下がっており、熱田台地の上にあったことがハッキリ分かります。つまり西側は崖で守られているということ。
スマホアプリ・古地図散歩 時代を重ねるマップの色別標高図で高低差を確認してみます。現代の航空写真では高低差はわかりませんが、色別標高図で見ると台地のヘリにあったことが分かります。
ふたつめにチェックしておきたいのが神明社の南にある外土居町という地名。土居(どい)とは土塁の意味で熱田村砦の土塁が由来した地名の可能性があります。この事から私の仮説ですが、熱田村砦は西を崖で、南を土塁で守られていた砦だったのでは?と思います。地形や地名からも城巡りで当時の様子を想像できる事例です。