安城市和泉町の丈山苑(じょうざんえん)は、戦国武将で文人である石川丈山(いしかわ じょうざん)の生誕地です。現在は提案で有名な丈山苑ですが松平家、徳川家に仕えた譜代家臣・石川氏の館跡なのです。つまり土豪の館城です。この記事では残る遺構や城巡りポイントを解説します。
石川丈山とは
石川丈山は天正十一年(1583)に松平家、徳川家の譜代家臣・石川家に生まれました。元服(成人)して石川嘉右衛門重之と名乗り徳川軍として各地を転戦。しかし大坂夏の陣で先陣争いが禁止されていたにもかかわらず、抜け駆けしたため罰を受け浪人となります。
その後、儒学を学んで文人として生き、90歳で没するまでに漢詩集や庭園などいくつもの優れた作品を残しています。
丈山苑の城巡りポイント
では丈山苑の城巡りポイントを見てみます。まず北門から入ると小川が流れていますがこれが堀跡。そして反対側の東側から見ると高台にあることがわかります。つまりこの堀と高低差が城巡りポイントです。
北門から入ると小川沿いに進んで行きますがこの歩道は堀底です。この堀は愛知県教育委員会発行の愛知県中世城館跡調査報告にも記載されており、幅約10m、長さ約60mの堀が残っているという評価です。
そして石川丈山の銅像がある後ろを見るとフェルナ安城和泉町店の駐車場がありますが低い場所です。つまり丈山苑が東側から見ると高台にあるということ。現在は竹林に囲まれて周辺は見渡せませんが、かつては周囲の様子もよく分かったのではないかと思います。
私の感想ですが、石川丈山邸の城巡りポイントはこの2つですが、ここも徳川家に仕えた土豪の館跡なので城跡です。庭園も見事で建物は拝観料(100円)が必要ですが、ちょっと変わった造りになっており楽しめます。