年末に岡崎城へ行くと新年の準備が進められています。岡崎城は初詣も人気のスポットなのですが、そんな中、元旦にうさぎ汁が振る舞われているのです。なぜ岡崎城でうさぎ汁なのか?その理由は徳川家の前身・松平家初代にさかのぼります。
長野でおもてなし
松平氏の初代は松平親氏(ちかうじ)という人物ですが、もとは関東からやってきた遊行の僧といわれえいます。事情があって父(有親:ありちか)と諸国を旅していた時、年の瀬に信州(長野県)の知人を訪ねました。
有親、親氏親子が訪問してくれた事を喜んだ知人は雪の山に入り、得意の弓でウサギを仕留め、親子にウサギ汁を作り振る舞います。この時のウサギ汁がよほど美味しかったのか、親氏は松平が裕福になった後、元旦にウサギ汁を食べる慣習を作ったそうです。また江戸時代の徳川将軍家でもこの故事にならい、元旦はウサギ汁を食す様になったとか。
そこで徳川家康生誕地でもある岡崎城では、元旦の初詣客にうさぎ汁を振る舞っているのです。かつて新型コロナウイルスが流行した時はこのウサギ汁の振る舞いは途絶えましたが、現在では可能な限り行われています。
注意点と私の感想
実はこのウサギ汁、注意点がありまして、大晦日から日付が代わり1月1日になった後、参拝者に振る舞われるのですが、地元では有名なウサギ汁なので夜が明ける前に全て無くなっています。だから明るくなってから岡崎城の龍城神社を訪れてもウサギ汁はすでに無くなっているのです…
私の感想ですが、このうさぎ汁を食べたい方は大晦日のカウントダウン状態で、岡崎城の龍城神社で待っておくのがオススメだと思います。終電も乗れないと思いますが、1年に1度、しかも松平家ゆかりのウサギ汁なので、松平氏が好きな方は1度は食べておきたいですね。