小牧山城土塁断面展示の地層が周囲の地層と逆転している理由

整備復元が進められている小牧市の小牧山城(続日本100名城)には、小牧山城を取り巻いていた土塁の断面展示があります。これを見ると土塁の中を見ることができるのです。

>>小牧山城の土塁断面展示の地図

まずは周辺の地層

ところでこの断面展示の土塁を見ると少し奇妙な点があります。じつは土塁周辺の地層を調べると三段階に分かれているのです。上からの順番は次の通り。

黒い土

黄色い土

礫(歷)層

土塁の地層を見ると…

しかし土塁の地層は上から次の順番です。

礫層

黄色い土

黒い土

周辺と地層が逆転しています。これはなぜなのか?スルドイ人はピン!と来てると思います。

まさに堀と土塁なのです

天正十二年(1584)の小牧・長久手の戦いの時、織田・徳川連合軍によって小牧山周辺の土塁が築かれたことが分かっています。まず堀を掘って出た土を横に盛って土塁を築きます。だから地層が逆転しているのです。

そして堀…(跡)

では土塁の土を取った堀はどうなっているのかというと…すでにありません(笑)。まあ、あえて言うなら土塁のすぐ側の水路が、かつての堀の一部分みたいに見えるということでしょうか。この水路も堀に沿っているので、確かに堀跡に見えなくもないです。

私の感想

私の小牧山城土塁断面展示の感想ですが、城巡りしてて土塁はよく見るものの、その中身を見せてくれる展示は貴重だと思いました。その理由はなかなか見ることができないからです。この土塁断面展示は小牧山城の正面(南側)から入ると、奥まった所にあります。でも貴重な展示なので、小牧山城を訪れた時には、必ずチェックしておいてほしい土塁だと思います。

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