トヨタ自動車本社がある愛知県豊田市に寺部町(てらべちょう)という地区があります。ここは徳川家康の家臣・渡辺半蔵守綱が顕彰されている土地なのです。
※寺部の読みは てらべ
なぜ顕彰されているのか?その理由は渡辺守綱が江戸時代初期の慶長十五年(1610)年に尾張徳川家家老として1万4千石で寺部に入封しました。その時、守綱はかつての寺部城址に寺部陣屋を構えて、以後渡辺氏が代々相続して明治時代まで続いたからです。
ところで渡辺守綱といえば令和五年(2023)のNHK大河ドラマ・どうする家康で木村昴(きむらすばる)さんが演じて話題になりました。その守綱ゆかりの寺部町には歴史好きが喜びそうな見どころもたくさんあります。
寺部陣屋
渡辺守綱が寺部の地を治めるための拠点とした陣屋跡です。じつはここ、徳川家康が初陣で攻めた寺部城の跡を陣屋に改造したものなのです。
いくつか残る遺構の中でチェックしておきたいのが戦国時代のものといわれる西側の土塁。この向こう側がガクッと下がっており矢作川(やはぎがわ)があります。陣屋時代も活用したのですね。
守綱神社
渡辺半蔵守綱を祭神とした守綱神社。寺部陣屋のすぐ側にあります。地元や渡辺守綱公顕彰会の方々によって維持されているみたいです。御朱印などは頂けないのが残念ですが、一般人も普通に参拝できます。
守綱寺
渡辺家の墓所・守綱寺。※守綱寺の読みは しゅこうじ
本堂の一部はかつての伏見城の軍議評定所の建物を移築したものという言い伝えがあります。
墓所は渡辺家歴代の墓があり、現在でも関東在住の子孫の方が参拝されるそうです。この墓所は特徴があって、墓石がなぜか長方形に近い四角。この墓の形もなにか意味があるのでしょう。
重臣の長屋門
渡辺家重臣・遊佐氏の邸宅に残る長屋門。豊田市指定文化財です。普通に今でも個人宅ですがご厚意で見学させてもらえる日があります。近くにはもうひとつ同じ重臣だった松本家の長屋門も残っています。
私の感想
私の豊田市寺部町の感想ですが、渡辺守綱が好きな人はもちろん、江戸時代の建造物に興味がある人も楽しめると思いました。今回紹介した史跡を全部巡る所要時間は守綱寺での参拝時間にもよると思いますが約1時間ほどです。豊田市の城巡りや史跡巡りとセットで訪れてみましょう。