知立市図書館の奥に知立市歴史民俗資料館があることをご存知ですか?ここは知立市の歴史に関する展示が幅広くありますが、その一角に重原(しげはら)城の展示があるのです。重原城は織田信長の一代記である信長公記に出てくる城で、村木砦の戦いのほか、桶狭間合戦にも関連しているなど、ローカルではありますが知立市のディープな城跡です。現地は民家と竹やぶになってますが、土塁、堀跡といわれる水路、また伝承の地が残っています。
■知立市歴史民俗資料館の場所の住所■
知立市南新地2丁目3−3
重原城と周辺の城
永禄三年(1560)桶狭間合戦直前の織田と今川の城分布図。中央に境川が流れており、これが尾張(左)と三河(右)の境です。今川方は三河に勢力がありますが、よく見ると大高城や鳴海城など尾張にも食い込んでいますね。
発掘で出たもの
展示の多くは重原城の発掘調査で出土したものです。戦国時代の鍋や天目茶碗を始めいろんなものが出土しました。
重原城跡から出土した馬の骨。軍馬でしょうか?
周辺から出土した鉦鼓(しょうこ)と錫杖頭(しゃくじょうとう)。これらは仏具で僧侶が使用するものです。
重原城の堀跡も確認されました(現在では埋めてあります)。堀の底面から堀幅約14mとは飛び越えられない広さですね。
また重原城の近くには小針遺跡があり、戦国時代以前にも人が大勢住んでいた集落と思われる遺構が確認されています。
伝承地
重原城には言い伝えレベルですが様々な伝承が残ります。今川軍に攻められた時、城を守った大男の伝承。城主の息子が処刑された首切り坂。そして埋蔵金伝説など。これらの話は地元に伝わるレベルの話ですが、郷土史でもあるので興味深いです。
所要時間と私の感想
知立市歴史民俗資料館の三河重原城の展示ですが、所要時間は5分~10分くらいでしょう。でも内容は濃いと私は思います。あと図書館と隣接してますので、郷土資料など調べ物をする時にセットで訪れる事ができます。入館料無料というのも嬉しいですね。