愛知県清須(きよす)市にある、あいち朝日遺跡ミュージアムは、弥生時代の環濠集落(かんごうしゅうらく)を分かりやすく解説した博物館です。
■あいち朝日遺跡ミュージアムの住所
清須市朝日貝塚1
これだけなら弥生時代の古代遺跡というイメージで終わるのですが、城郭研究では弥生時代の環濠集落が城の歴史の始まりと考えられています。有名なのは日本100名城にも認定されている、佐賀県の吉野ヶ里遺跡(よしのがりいせき)ですが、愛知県にも環濠集落があったのです。それが朝日遺跡。つまり愛知県清須市の朝日遺跡は城郭研究では城跡なのです。では中はどうなっているのか?早速チェックしてみましょう!
精巧なジオラマ
まずは展示室。(ちなみに写真撮影可)環濠集落だった朝日遺跡に付いて詳しい説明があります。ここで見ておきたいのは精巧なジオラマです。
例えばこの全体的なジオラマ。中央に堀と土塁で取り囲まれた環濠集落があり、その周辺にいくつもの住居があります。これを詳しく見てみると…
なんと人々が田畑を耕している様子など、小さな人形で表現しているんです。細かな作業が苦手な私の感想からすればこれはスゴイ…
また環濠集落が外敵に攻められた時、攻める側と守る側の様子もこのジオラマで見ることができます。乱杭(らんぐい)や逆茂木(さかもぎ)など、実際に出土した遺構から再現されたジオラマです。まだこの時代には中世の城に見られる、虎口(こぐち)や馬出し(うまだし)といった縄張りの工夫は見られませんね。
あと出土した遺物を展示解説しています。ここまでは普通に博物館などで見られる風景ですが、個人的に少し引いた展示物が次のものです。
これは引くわ…考古学に興味がある人はヨダレものなのでしょうが、一般人にはちょっと…(←だったら写真撮るなよw)
館内には子供用に体験コーナーもあり、土器の文様(もんよう)付け体験や土器のパズルみたいなものがありました。
外の公園
館内も良いのですが、外の公園も見応えがあります。ちなみに公園は無料。
入り口にいきなり環濠(かんごう)があります。かつて集落を取り囲んでいた堀です。この堀と土塁に囲まれていた、それだけでも城の原点ということがうなづけますね。ところでこれ、ホンモノなのだろうか?
やはり高床式倉庫と竪穴式住居は必要でしょ?ちなみに中には入る事ができません。吉野ヶ里遺跡は建物の中に入れるのですが、ここが大きな違いですかね。(規模もそうですが)。
私の感想
私の感想ですが、清須市のあいち朝日遺跡ミュージアムは考古学ファンのみならず、城巡り好きな人にもオススメの博物館だと思いました。その理由は、環濠集落の様子がそれなりによく分かるからです。
個人的には環濠集落というと、どうしても佐賀県の吉野ヶ里遺跡と比べてしまうので、あっけないように思えますが、吉野ヶ里遺跡に無い新しさや交通アクセスの便利さなどはあるでしょう。あと知っておきたいのが清洲城の共通券があります。(一般500円)。
清洲城までは車で約5分でアクセスできますし、あいち朝日遺跡ミュージアムの所要時間は約1時間もあれば十分だと思うので、清洲城とセットにすると半日は充実できると思います。