私は自分の城巡りの会(愛知ウォーキング城巡りクラブ)の講師を務めるほか、市町村や民間企業、学校やカルチャースクールで歴史の講座、講演を行うことがよくあります。その時に気をつけていることはたくさんありますが、特に注意している3つの事があります。
これはこれから歴史や城の講座、講演をやってみたい方の参考にもなるので、是非チェックしておいてください。
(1)分かりやすいタイトルにする
受講生は大人でも中学生や小学生にもわかるタイトルにしたほうが良いです。その理由は歴史の講演会や講座というと難しく感じる方もいるからです。
【悪い例】
松平氏創成期における城館址遺構の特徴とその独自性について
【良い例】
ココを見ておく!豊田市に残る松平氏ゆかりの城址7つのポイント
ここで大事なのは2つのタイトルとも話す内容は、ほぼ同じということ。タイトルを変えるだけで参加したくなるようなものにするのが大事です。
【例】
これは令和五年(2023)に私が最も多く話した講演のチラシです。この年はNHK大河ドラマ・どうする家康が放送されたこともあり、徳川家康や家臣団、そしてゆかりの城や逸話に関する講演や講座の依頼が多く来ました。
そこで地元愛知に特化した内容にしたのですが、タイトルも中学校、高校でも分かりやすいものにしたという実例です。
(2)地域や地元ネタを入れる
私は愛知県に住んでおり、私が歴史講座や講演で講師として話す時、受講される人のほとんどは愛知県、もしくは岐阜県や三重県という近県の方々です。だからこそ地元ネタを入れるというか、特化したほうが良いです。その理由は分かりやすいから。
これは以前、私が拝聴した講座の例ですが、有名な私立大学の先生が名古屋市で東北地方の城について話されたことがありました。戦国武将の伊達政宗や最上義光という有名な人物ゆかりの城についてです。その時の感想ですが、正直、土地勘が無いのでピンと来ませんでした。
仙台城などは有名な城なので分かるのですが、由利郡(ゆりぐん:秋田県)、置賜地方(おきたま ちほう:山形県)の川の名前やマイナーな城址の防御の高さなど、行ったこともなく、行く予定もないので正直、面白くなかったです。
そこで私が歴史講座や講演会で講師として気をつけていることは、会場がある地域の歴史や武将の逸話に特化するということ。もしくは最初のつかみや途中の脱線話で地元の城や戦国ネタを入れる様にしてます。やはり(地元=分かりやすい)というのは大事です。
(3)難しい言葉を使わない
これは経験が浅い男性の講師によくみられる特徴なのですが、専門家として難しい専門用語や言葉、表現を使いたがるということ。これは講座や講演内容を分かりにくくする特徴のひとつです。だから難しい用語は分かりやすく翻訳する必要があります。具体的な事例は以下の通りです。
守護⇒ 今で例えれば県知事みたいなもの
関白⇒ 天皇をサポートする高位な人
惣無事令(そうぶじれい)⇒ 大名同士の武力衝突を禁止した命令
総構え(そうがまえ)⇒ 城下町を取り込んだ城
用語はとにかく砕いて説明しましょう。たまに『説明が軽すぎる』と怒るオジサンがいることもありますが、私は笑顔で牽制します。
まとめと感想
ということで私が愛知県や名古屋市で歴史講座や講演をする時に気をつけている点を3つ上げてみました。私の感想ですが、講演や講座はとにかく分かりやすくというのが、参加者にも喜ばれるポイントだと思います。これから歴史講座や講演会をやってみたい方は是非、参考にしてみてください。
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